911の時、TVのニュースで
「罪のない人が被害にあいました。テロリストはなんて残忍なんだ。」
という内容を繰り返し、繰り返し伝えていた。

当時、中学生だった私は
「本当に罪がないのかな?」と疑問に思ったのだった。

もちろん、亡くなった方の冥福をお祈りしているし、
世俗的にその方たちが何か罪深いことをしている、という指摘ではなくて。

もっと全体感としての話。

先進国に生まれ、育ち、豊かな教育をへて、きちんと就職しているひとたち。
・・・・もしかしたら、「わたし」も含むのかもしれない。

そんな人たちが、世界のひずみに目を背け
あるいはむしろそのひずみを積極的に利用して利益をあげたり
その商品やサービスをそしらぬ顏で享受したりしている。

そして、そんな罪の自覚もなく、
豊かに生きているということを有難く感じることもなく。
ただ、生きている「わたし」

それって本当に罪がないのかな?と。



当時そんなことを考えていたことを
西加奈子さんの「i」を読んでいたときに、ふと思い出した。

無題
(amazon.co.jpより抜粋)

アメリカ人の父と日本人の母のもとへ、
シリアから養子として日本にきた主人公の曽田アイ。

祖国のシリアの状況と日本にいる自分の状況のギャップに苦しみつつも
進学、結婚妊娠をへて、自分の暮らしの中に小さなひかりを捉えようとする物語。

内包しているテーマは「格差」「LGBT」など重いですが、読後感はいいですよ^^

西加奈子 「i」